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2002 日本社会科教育学会自由研究発表

ディベート学習の可能性と限界

東京都立国立高等学校  新井 明

2.ディベート教育最盛期?

 公民科におけるディベート教育は,ブームの時代から定着の時代に入ったといえるだろう。それがなによりの証拠には,新学習指導要領では,本文でこそ言及はないが,解説書ではディベートの文字が入っている*(5)。高等学校の教科書も,来年度から使用される「現代社会」の教科書では,発行されたすべての教科書で,ディベートが取り入れられている。その意味では,ディベート授業は最盛期を迎えようとしている。しかし,最盛期こそ滅びの要素が始まっているともいえる。というのは教育界では,何か新しいテーマが登場するとそれがある段階に爆発的に広がるが,その勢いは約10年程度で収まり定着ないし,衰退にはいることが常であるからである*(6)

 1980年代の半ば,ディベートが注目された頃は,ディベート授業はデウス・エクス・マキナ扱いをされていた*(7)。それに対していくつかの批判は出されたが,ディベートそのものの持つ,可能性や限界への言及は深められたとはいえない状態が続いている*(8)

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ディベート学習の可能性と限界

  1. 1.はじめに
  2. 2.ディベート教育最盛期?
  3. 3.ディベートでしてよいこと・悪いこと
  4. 4.出生前診断を巡るディベートのもたらしたもの
  5. 5.ディベートの可能性と限界
  6. 6.おわりに
2007 © Akira Arai