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これからの「豊かさ」とは何か

―― 21世紀の科学技術と社会はどうなる ――

T.日本人にとっての「豊かさ」とは何だったのか?

1.1 ボードリヤールの卓見

1.2 日本社会の前近代性?

1.3 達成感が災いしたのだろうか?

1.4 集団主義的「豊かさ」モデルの超克

T.日本人にとっての「豊かさ」とは何だったのか?

「日本という国が豊かなのは日本人が貧しいからだという逆説も成り立つように思える」

「日本人が貧しい」とは、その生活の質の低さを意味する。

T.日本人にとっての「豊かさ」とは何だったのか?

日本という国が豊か?

1987年一人当たりGDP競争でアメリカを追い抜いた

戦後の日本人が共有した悲願「追いつき追い越せ」が達成された

1 位はスイス、2位はルクセンブルグ、3位はアイスランド、日本は4位だった。

GDP

Gross Domestic Product

国内総生産

国民総生産から海外で得た純所得を差し引いたもので、国内の経済活動の水準を表す指標となる。

T.日本人にとっての「豊かさ」とは何だったのか?

1.2 日本社会の前近代性?

欧米的な理想主義

国が豊かであるためには、まず一人ひとりの個人が豊かにならなければならない

個人が組織の細胞の一つのようになって自己を主張

社会の前近代性が土台

欧米の理想主義モデルを逆転

国が豊かになってはじめて、一人ひとりの個人が豊かになる

日本人は「本当の豊かさ」を手に入れることはできない

T.日本人にとっての「豊かさ」とは何だったのか?

1.3 達成感が災いしたのだろうか?

1987年は、バブル経済期の始まる年

「達成感」に酔いしれた人びとは、次なる目標を見出せない

「失われた10年」を過ごし、今日に至る

バブル期の拝金主義のあおり

努力、勤勉、真面目、誠実など の 徳目が全否定

熟練 、 努力、創意、決断、勤勉の評価が失われる

倫理的価値への敬意が薄らぐ

T.日本人にとっての「豊かさ」とは何だったのか?

1.4 集団主義的「豊かさ」モデルの超克

次なる目標

第一に目指すのは「一人ひとりが豊かになる」

「選択の自由」をわきまえ、固有の「豊かさ」を追求

「豊かさ」とは

所得・消費の水準のみに測られるものではない

人それぞれが「選択」する「豊かさ探し」

日本人に、集団主義的「豊かさ」モデルの超克は可能か?

U.GDPは社会全体の達成度の物差しなのか?

2.1 「主権」は消費者の手中にあるのだろか?

2.2 人類史における「偉業」とは?

U.GDPは社会全体の達成度の物差しなのか?

2.1 「主権」は消費者の手中にあるのだろか?

市場経済システムの「良さ」は、消費者が主権?

企業の販売戦略と宣伝・広告

消費者の「選好」は企業により支配

国内総生産が社会全体の「進歩」「発展」の尺度

技術革新・財・サービスの製造・販売に関わる権限が「生産者に委譲」

GDPが「社会全体の達成度を測る近代的な物差し」と言われるのが問題

U.GDPは社会全体の達成度の物差しなのか?

2.2 人類史における「偉業」とは?

GDPという尺度で見る限り、とても「貧しい」社会に育った。

芸術、文学、宗教、科学などの業績

経済から隔離されていることが必要条件なのかどうか

市場経済にさらすことが必要なのかどうか

U.GDPは社会全体の達成度の物差しなのか?

2.2 人類史における「偉業」とは?

学術・科学を経済の僕(しもべ)とみなす考え方『所得倍増計画』(1960年)

理工系学部の振興が「所得倍増」のために必要

以来、「有用性」を尺度に学術・科学を評価