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子どもの経済教育研究室

研究室の理念

 最近、子どもの金銭教育ないし経済教育への関心が、空前の高まりを見せつつあります。

 経済教育が進んでいるアメリカ人の暮らしぶりを観察していると、経済人そのものの暮らしぶりを実見する思いです。ところが日本では、「お金のことは口にするな」と親に言われて育った人が多いことからもうかがい知れるように、経済的な合理性とは縁遠い制度・慣行がいまだにまかり通っています。 しかし、グローバリゼーション(地球的規模での市場経済化)の荒波が押し寄せつつある今、日本人だけが特異 ( ユニーク ) な制度・慣行を維持し続けるわけには参りません。グローバリゼーションの荒波を乗り切るには、日本型の制度・慣行の良いところを残しつつも、傍目から見て余りに不合理な諸制度を合理性に準拠して作り変える必要があります。

 子どもの経済教育の必要性は、実はそこにあります。経済の仕組みを学ぶことは、グローバルな社会文法を学ぶことなのです。そういう観点から、子どもの経済教育のあり方を考えてみようというのが「子どもの経済教育研究室」を創設したそもそもの趣旨であります。

 経済教育を、起業家教育や投資教育に限定してはなりません。経済の仕組みを子どもたちに的確に理解させることを、経済教育の第一義と心得るべきではないでしょうか。その上で、政治、文化、教育、環境など社会の他の構成要素と経済の関係を、子どもたちにキチンと理解させることが、これからの経済教育には求められているのです。

佐和隆光